気がついたらあっという間に夏コミも過ぎ去り、涼しかったり暑かったりでますますぐったり感あふれる状況となってしまいましたが、なんとか更新。
◆今年も
今年も例によって2015年7月24~25日に開催された、JAXA相模原キャンパス特別公開を見に行ってきました。
例によって色々見てきたのですが、去年・一昨年ほどではないにせよ猛烈な暑さと突然の雨、んでもって見学する順番を見誤ったり、見学二日目にコンデジを忘れるという大失態をかましたりして、色々と痒いところに手が届かない感じになってしまいました。
それでも今年も色々みっしりと見聞できたので、適当に。
今回、直前になってドタバタが発生した影響を食らって、イラスト少なめになってしまったのが超無念……増補できたら良いのですが……
例によって「自分が分かればいいや」って感じで話を噛み砕いたり、適当な事書いていたりしますが、個人のアレってことでどうかご容赦を。
このサイトの内容を情報源にしてはなりませぬ。
あと、今回も例によって内容は同人誌として纏めてあります。リンク先(Tumblr)に内容をベタで貼ってありますので、そのまま出力すれば買わずに読めます(容量の関係から若干解像度は落としてあります)。ただし内容としては本ブログが常に最新です。
また、「ISAS/JAXA特別公開徘徊記2015」は夏コミの新刊となりましたが、8月30日に開催予定のコミティア(委託先:V30b「Black Dwarf」)及び10月4日開催予定のサンシャインクリエイション2015Autumn(委託先当落不明)で委託販売させて頂ける予定です。
2014年までの徘徊記をまとめた「STARS AND THE EARTH」も残部僅少となりましたが、どうにか持っていければと……どっかの相模原の研究施設から100部くらいまとめて発注があったら改訂の上再販できるんだけどなぁ!(無茶言うな)
あと、去年の特別公開見学記を読んでおくとわかりやすい部分が多いかもですよ。本当は前述した「STARS AND THE EARTH」が良いのだけど既に残部が……。
2013年のレポートはこっちの方で。2014年のレポートはこちら。2015年のレポートはこちらでありますよ。
そんな感じで若干脱線しましたが、どうにかこうにか始まりであります。
★移動がめんどくさい人のための斜め読みリンク★
その1、その2、その3
◆アストロバイオロジー
去年の段階では計画中だった、「たんぽぽ計画」。これはISSの「きぼう」モジュールにエアロゲル製のダスト回収ユニットを搭載し、宇宙空間を飛び交う塵(ダスト)や微細隕石を回収調査することで、生命や、その痕跡を探すもの。ISSの軌道であれば、地球由来のものであれ、地球外由来のものであれ、生命やその痕跡が発見できれば、人間のような知的生命体の助力なしに生命は宇宙を自由に?飛び交うことが出来ると証明できるというものなのですが、今年は無事打ち上げられ(2015年7月時点)、ISSの「きぼう」モジュールに搭載されたということでした。
これから一年め、二年目、三年目と少しづつ回収し、宇宙に飛び交うダストの中から、生命の痕跡などを探していくようです。
◆「あかつき」と重力井戸
軌道制御用のメインスラスタ(OME)の破損と軌道投入失敗以来、ずっと灼熱の太陽に背を向けて耐え抜いてきた金星探査機「あかつき」。
7月に、三回に分けて行われた軌道修正マニューバも無事成功した模様。二回目の軌道修正マニューバの日は、ちょうど特別公開の初日と重なっていて、「あかつき」の展示コーナーにも「みんなで払ってます」的な表示が出てました。
で、今回の軌道修正マニューバには、破損したと考えられているOMEではなく、姿勢制御用のスラスタ(RCS)が使われていたいり。
軌道制御エンジンとも呼ばれるメインスラスタは、セラミックスラスタの名の通り、燃焼器とノズル全体がセラミック製であるものの、構造としては通常のロケットエンジンで、燃料としてヒドラジンを、酸化剤として四酸化二窒素を利用している。ヒドラジンと四酸化二窒素を利用するのは、長期間にわたってタンクの中に貯蔵していても変質しないなどの利点があるため。
一方のRCSは燃料としてヒドラジンを使う点は同じだが、ヒドラジンを触媒を用いて分解し、噴射を得ている。
さてOMEに使われているセラミックスラスタ。いろいろと言われていはいるけど、ちゃんと一回目の噴射と軌道修正には成功している。
じゃぁ何で二回目に吹っ飛んだのというと、燃料タンクを加圧するためのヘリウムタンクの逆止弁がうまく働かなかったから。このおかげで、燃料が決められたとおりに供給されなくなってしまい、エンジンが破損してしまったのだ。破損の理由も、燃料の供給が減った結果、本来想定されていたよりも燃料と酸化剤の混合比がより「効率的」になって高熱となってしまったからというもの。
また、燃料の逆止弁が詰まってしまったのも、樹脂材料が酸化剤の四酸化二窒素を透過してしまう性質があり、それで酸化剤が燃料と混ざって(燃焼じゃない化学反応で)結晶ができて…というもの。
こうした自体は想定されていなければならないものの、新しいエンジンを使うときに付きものである「やってみなきゃ分からなかった」という部分なのかなと。
それでも例によっての、ギリギリの運用でなんとか軌道修正を果たした「あかつき」 。次は十二月の軌道投入マニューバのまで、また静かに耐える日々が続きそうで。
さて一方で7月14日に冥王星への最接近を果たしたニュー・ホライズンズ。地球軌道の外側、外惑星への接近観測が、古くは「パイオニア」や「ボイジャー」。最近では「ガリレオ」や「カッシーニ」など比較的多く行われているのに対して、水星と金星の2つの内惑星に対して接近観測はそれほど多くない。周回軌道に乗っての観測ともなれば更に少なかったり(金星周回探査はベガ計画や「マゼラン」「ビーナス・エクスプレス」など、水星周回探査は2015年5月に水星に激突した「メッセンジャー」のみ)。
これには、なんといっても太陽という巨大な星が関係していたり。
星は簡単に言うと重力場という巨大なすり鉢状の穴の底に鎮座している。これは「重力井戸」と呼ばれるもの。
金星や水星を探査しようとする時、太陽が作り出す巨大な重力井戸という急斜面の、その途中にある小さな穴に探査機を送り込まなければならないのだ(◆図必要)。
水星あたりになると、その周囲を周回しているだけで太陽に引っ張られて軌道が歪んでしまうほど。
一方、土星や木星の重力井戸も決して侮れない。太陽に比べれば小さいものだけど、宇宙を放浪する砂粒にも見たい内容な探査機にとっては、その重力井戸は巨大過ぎる。
太陽の重力井戸という斜面の途中に、別の巨大なすり鉢があって、それが動いていると考えるとわかりやすいかもしれない(余計にわからないかもしれない)。
そんな穴だらけの斜面がある中で、冥王星のようなヤケに遠方でムチャクチャ小さい目標の周囲を回る軌道に乗せるというのは、無茶ぶりもいいところ。
それでも近くを通過させたい、というだけなら思いっきり「力強く投げて」やればいい。巨大なエンジンで加速してやればよいのだ。
ところがそれでは近くを通過するときに、観測する時間が充分にとれなくなってしまう。だから木星や土星の重力井戸に捕まらないように(かつその重力を利用してスウィングバイで加速するなどしつつ)充分に速く、かつ観測するだけの時間がしっかり確保できるようにしなきゃならない。調整が面倒くさいすぎる。
周回軌道を取るとなるとさらに難しい。冥王星のように外側に行くにせよ、金星水星のように内側に行くにせよ、ゆるくなげて、かつ他の惑星や太陽の重力井戸に捕まらないようにしつつ、時間を掛けて到着する必要がある。。
例えば、前に出てきた「メッセンジャー」は打ち上げから水星周回軌道に到達するまで6年(その前に何度か接近探査を行ってはいるけど)掛かっているし、「ベピ・コロンボ」も、打ち上げから水星到達まで6年を要する予定になっている。周回探査は、貴重な知見を与えてくれる一方で、そこに至る道はヤケに遠くてめんどくさい。
でもどっちの場合にも、十分な加速性能を持つエンジンが搭載されていれば、こうした時間は最小限で済む。十分なスピードでぶん投げた後、探査隊が自分で減速すればいいのだ。
「あかつき」も、打ち上げ時の軌道(惑星位置)に恵まれていたとはいえOMEが正常に動作していれば、打ち上げ後約半年で金星周回軌道に乗ることができたわけで、そうした意味でもセラミックスラスタやイオンエンジンみたいな「惑星間空間を効率よく飛ぶための」高性能エンジンの開発は欠かせない感じで。
◆「れいめい」の運用
2005年8月の打ち上げ以来、ついに運用が10年めに突入しそうな高機能小型科学衛星「れいめい」。
前回は主にバッテリ関係の話題で取り上げたのだけど、100kg未満のいわゆるマイクロサットに分類されるDESTINYのご先祖様とも言える衛星。
軽量低コスト化のため民生用(宇宙空間で運用されることを前提に設計されたものではなく、普通に車載用として販売されている)のCPU、GPS、リチウムイオン電池を搭載したり、光ファイバージャイロセンサーを搭載したり、安価で簡単なシステムで衛星の自動運用をテストしてみたりと、様々な新規技術やコスト軽減策を盛り込んでいる。その一方で、小型衛星であり、小さなプロジェクトであることを活かして衛星運用のためのノウハウを若手の科学者や技術者に習得継承してもらうという役割も担っている感じで。
もちろん衛星そのものの主な目的であるオーロラやそれに関係する磁場圏の観測でも充分な成果をあげていて、オーロラのある種の観測(地球の磁力線と地表が交わる部分でのオーロラの観測)では、現時点で最も細かい時間間隔と最も高い解像度で観測している。
で、衛星側、地上局側の両方が様々な問題に遭遇直面し、それらを解決しながら運用を続けてきたわけなのだけど、この10年の間に予測もしていなかった問題に遭遇し始めている。
もちろん、軌道上にある衛星の機能のある程度の劣化は最初から想定されていたものだし、数年の運用を予定してきた「れいめい」が10年間運用を続けたれた事は、それだけでも貴重な情報。
ところが、最近になって、地上局側に想定もしていなかった問題が持ち上がりつつあったいり。
長期運用の中で現在問題になっているのが、地上局側で用いられている管制のためのコンピュータシステム。これらは、コストを下げるために、全てではないにせよ、多くの部分に市販のPCやソフトウェア、あるいはフリーで手に入るそれらが使われているのだけど、これらが最近になって更新が困難になってきている、という問題に直面している。
導入直後はハードも比較的新しく高性能なものだったけど、市販品、フリー問わず、ソフトウェアがアップデートを繰り返す中で、運用しているハードウェアへのサポートが終わってしまうという事態が起こり始めているのだ。同様にハードウェアの更新もまた問題となっている。
ここまでの話の限りではソフトとハードの更新を同時にすればいいんじゃね?と思われそうだけど、そのあたり聞きそびれたー!
また、小型でコストが押さえられているとはいえ衛星の運用には予算が必要。もちろん、予算は成果に応じてしか得られない。数多くの優れた観測といった「目に見える」成果だけでなく、民生品の活用、や若手技術者や科学者へのノウハウの習得継承、長期運用における問題点の発見と解決という「目に見えない」成果を数多く挙げていたとしても、中々思い通りに行くものではない。
予算は結局成果に対してしか得られないため、充分な成果を上げていないと判断されれば、予算は付かない。結果「その衛星が生きていて、まだこれからも長期運用に耐えうる状態」であっても、その衛星を「捨てる」という選択を得ざるをえないかもしれない、という問題が発生しているのだ。
もっとも、これは「れいめい」だけの問題ではなく、実用でない科学衛星や惑星探査機は常に予算の削減と戦っているような状態と言ってもいいのかもしれない。
衛星の長期運用が可能になっていくと、それだけのノウハウの蓄積とコストダウンが望める一方で、観測機器やシステムが旧式化し、得られる情報も最新式の観測機器に比べれば、限られたものとなっていってしまうのは間違いないし、仕方ない感じ。
ただこうしたノウハウが新たな科学技術衛星の運用で無駄になっていくことは少ないんじゃないかと。
より少ないコスト、小さいロケットで優れた科学衛星、新宇宙探査体を打ち上げることだって出来るようになるかもしれないし。
そうしたアップデートと長期運用のバランスを取りつつ、色々試していって欲しいなぁと思った次第。
◆またもや電池の話
前回色々面白すぎた電池の話、今回もまた色々と面白い話が沢山たくさん。
前の本で紹介した「サバチエ(サバティエ)反応」は、基本的には水素と二酸化炭素を高温高圧下で反応させてメタンと水素を発生させる化学反応。
それを日本の科学者が触媒などを利用して常温常圧の条件で(しかも発電させながら)進行させることに成功したというのがポイントだった。
さてこうした反応で、得られる様々な炭化水素。これらには重要な意味がある。
そりゃたしかに工業原料かもしれないけど、それ以上の意味があるの?と思われるかもしれないけど、そのあたり順を追って説明してみようかと。
●水素は逃げる
さて、幾つかの生成物があるのだけど、特にメタンを中心に説明していく方向性で。
メタンは化学式で書くとCH4。炭素一つの水素が4つくっついた、炭化水素としては一番単純なもので、人間には特に害はない(もちろん酸素のかわりにメタンを吸うみたいなことをすれば窒息するけど)。屁とか臭いですぐメタンを想像すると思うけど、メタン自体は無味無臭の気体。めっちゃよく燃える。
地球温暖化物質の一つとしてもよく挙げられるけど、そんなもん何で重要なのん?って感じ。
でも、とても大切なのだ。
さて、燃料電池というものは、水素と酸素を利用して電気を生成し、反応物として水を排出する。その量は、1kW級の燃料電池で一分間に約1ccくらい。水蒸気そのものの、地球温暖化物質として扱われることがあるけど、今回はそれは考えないことに。
問題なのは、この逆。水を電気分解して水素と酸素を作ったときの場合。酸素は特に問題ないのだけど、水素は意外と困った性質を持っている。非常に燃えやすいのもあるのだけど、集めにくくて、とにかく軽い。
どれくらい軽いかというと、容易に地球の大気圏の上層部に浮かび出て、太陽風で吹っ飛ばされていくレベル。
ただでさえ原子のサイズが小さいために、隙間から抜け出やすいのに、抜け出たものを回収するのは非常に難しく、逃げた水素は宇宙空間に散っていってしまうのだ。
水素が散っていくとどうなるか。
酸素は残るものの、それとくっつく水素が無くなるため、結果的に地球から水が失われていくことになる。
電気分解を用いて、水から燃料電池の「燃料」とんなる酸素と水素を生成する事で、地球からどんどん「水」を消滅させてしまう。
今の時点では、燃料電池も一般的な電源とはいえず、こうした水の電気分解は、それほど積極的に行われているわけじゃない。でも燃料電池がより効率的になり、様々な場所で使われるようになてくると話は変わってくる。
工業的、大々的に水の電気分解が行われることで、地球の水を目に見える形で減らしてしまうかもしれないのだ。
そうしたことを防ぐために考えられているのが、電気分解で生成した水素をその場で炭化水素に変換すること。
一旦メタンなどの炭化水素に変換してしまえば、単体の水素に比べて、回収しやすく保管も用意になる。扱いがグッと楽になる。液化する温度は水素がマイナス253℃なのに対して、メタンはマイナス162℃。この温度は安価に作ることのできる液化窒素(マイナス196℃)よりもはるかに高く、容易に液化させる事ができる。
原子のサイズも水素よりかなり大きいため、密封のためのシール材を高性能なものにする必要もなくなる。金属と水素が触れ合うことで発生する金属の劣化(水素脆性)を気にする必要もなくなる。
何より水素が宇宙に逃げて行くことを抑えることが出来る。
二酸化炭素、水素、水、そしてメタンと発電のサイクルを組み合わせて循環させることで、二酸化炭素の回収と再利用。そして水の維持を図ろう、という感じ。
メタン・二酸化炭素の循環型社会を目指しているのだ。
で、最初に実験のための目標としているのが国際宇宙ステーション(ISS)。
近い将来、まだ国際宇宙ステーションが稼働している間に、こうした循環システムの実験が行われるんじゃないかと。
さて、ここまで説明してきたメタンのような、水素をエネルギー資源として利用しやすくするために、他の物質と化合させて扱いやすい状態にしたものは、「エネルギーキャリア」と呼ばれている。現在主に研究が進められているんが、アンモニア、シクロヘキサン、そしてここまで説明してきたメタン。
何でメタンとかなのん?という疑問が出てくるだろうけど、一番簡単な利用は、こうした物質は今ある化学工場や保存設備とかがそのまま転用できるのが大きい(メタンはいわゆるLPガスや都市ガスの主な成分の一つ)。新しい設備投資を抑える事ができるのだ。また、現状では、メタンは質量や、体積当たりの水素密度が比較的高く(アンモニアに次ぐ)、またここまで説明してきたとおり、二酸化炭素を利用したエネルギーサイクルに組み込みやすいという点もあったり。
こうした研究は、まだまだ途上で、どのエネルギーキャリアが主流となるのか、あるいは別の方法が生み出されるのかはわからないけど、追っていて楽しい話題。どうなっていくのか目が離せない感じで。
・なかなか小さくならない電池
さて、人工衛星や探査体の重さのうち、電池で占められる割合はだいたい7%くらいだと言われている。コンピュータなどの電子回路や一部の電力回路は、半世紀ほどの間に半導体技術の進化で一気に進歩し、小型高性能化と低価格が進んでいるのは、ここで説明するまでもないんじゃないかと。
電子回路の方は、真空管を祖として考えたとしても、1902年の二極真空管の発明がもっとも古い。いわゆるコンピュータの祖と言われているENIACは1946年に完成。電子回路でない、しかも完成することのなかった「解析機関」の発明ですら1837年になってからだったり(それでも充分すごいのはここでは置いておく感じで)。
1966年に開発されたアポロ宇宙船のコンピュータ(アポロ誘導コンピュータ)は、動作クロック1MHz(入力クロックは2MHzだけど内部で分周されている)、搭載メモリ容量(RAM)が4キロバイト(ただし、レジスタが16ビットワードだったので実質2キロバイト)。価格はだいたい10億円程度ではないかと言われている。
既に退役したスペースシャトルだけど、元々宇宙往還機として設計された理由として、当時は非常に高価だったコンピュータユニットを、一回の打ち上げごと使い捨てるのは予算的な問題もあって困難だった事が挙げられるほどだったのだ。
一方、最近の一般的なパソコン用のCPUは動作クロックが3GHz以上、メモリは8~16ギガバイトで販売価格は10万円程度(!)。
宇宙技術が枯れたシステムを好むと考えて、10年前(2000年代前半)のパソコンですら、動作クロックは2GHzで搭載メモリは1ギガバイトを超えていたのだから、その差は歴然としている。
もう比較にならんほど安く小さく高性能になってしまった感じで。
一方の電池は、知られている限り最も古いものとしては、古くは約2000年前の遺跡から発掘されたバグダット電池が挙げられる。電池として使われていたか、本当に電池なのか、電池として使われていたかは異論がある一方、周囲からは「これ電気メッキしたんじゃね?」って思われるような装飾品などが発掘されている。
今広く使われている近代的な電池に限っても、1791年にイタリアのルイージ・ガルヴァーニが、ガルバニ電池を発見している。
二極真空管と比べても100年の差があるのだ。
電池は既に枯れた技術であり、電子回路に比べると、既存の材料と技術を使う限り、これ以上の小型化は難しい状態になっている。枯れた技術の好まれる宇宙開発においてはなおさら辛い感じで。
おかげで、電池は(最近その速度はある程度鈍化したとはいえ)日々小型化・高性能化を続ける電子回路に比べて、衛星の中で大きな質量を占める事になってしまう。なもんで、電子回路関係や観測機器関係の人から「お前の所はもっと小さくならんのかー!」的な話をされることも多いのだとか。
仕方ないとはいえ、難しいところだよなぁと思った次第。
で、またなんかすごいことやってた……。
水の電気分解と二酸化炭素の供給から連続的にメタンと酸素を生成するほうほうなのだけど……
投入エネルギーの105%の水素生成ってな……(多分、入力した電気分解用の電力(エネルギー)に対する水素燃焼熱の比だと思うのだけど、びっくりしすぎて詳しく聞くの忘れた)
なに
それ
もはや言葉も無い…毎年毎年スナック感覚でクラークの三法則第三条を達成するんじゃねえ!?(褒め言葉)。
◆
そんな感じで(その2)に続くのでした。
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