2014年8月20日水曜日

ISAS/JAXA相模原キャンパス特別公開2014に行ってきた話(その1)

★注意:このレポートは2014年度特別公開のものです。2015年度特別公開の話はこちら
さて、今年(2014年)も7月25~26日に開催されたJAXA相模原キャンパス特別公開を、誘ってくれた友人らと一緒に見学してきました。もう一ヶ月も前の話なんですが、量が多くてまとめるのに手間取ったり、コミケの新刊とかにしてしまったりで、更新が遅れてしまったという。
 テキストのノリはいつもどおりですが、特別公開の内容はまたもや恐ろしく濃い感じなので、気が向いたら適当に読んでやってくだされー

 

 毎年この時期は特に暑い日がやってくるようで、今年も開催両日の最高気温がだいたい37℃とか、4年連続の猛暑が襲い来る中での見学だったのですが、今回もまた本当に色々濃い展示でありました。
 2013年のレポートはこっちの方で。2014年のレポートはこちら2015年のレポートはこちらでありますよ。

 今年もまた写真多めで説明がグダグダだったりすると思うのですが。気が向いたらグッタリ見ていただければ良い感じ。二日間見てきた結果を一つにまとめたり、何回か回った中で複数の方にお話を聞いたり(同じブースでも、お聞きした方によってそれぞれ専門が違う場合があり、それで聞ける内容が色々変わったりする)したのと、内容を自分に分かりやすくしてるために逆になんだか分からなっている部分があるかもしれませんが、個人のアレという事でご理解いただければいい感じです。

 あと、今回の更新の内容があんまりにも多いので、同人誌としてまとめてあります。リンク先に内容をベタで貼ってありますので、そのまま出力すれば買わずに読めます。内容としては本ブログが常に最新です。
 この本は夏コミの新刊になりましたが、冬コミ(12月28日~30日開催予定・現状委託可否・当落不明)に持っていきますんで、気が向いたらどぞー
(さすがにブログみたいに気がついたら速加筆修正とか無理ですが……)

 例によって、後から気がついたりツッコミ頂いたりして、随時修正追記されますが、ご勘弁のほど。

★めんどくさい人のための斜め読み用リンク★
その1その2その3その4


 んなわけで、今回は後輩の車に便乗させてもらって行ってきたのですが、中では全員バラバラに適当に。んでもって、相模原市立博物館の方でも特別展が開催されていたのですが、JAXAの会場の方だけを重点的に。毎度のパターンであります。
 駐車場から会場までの徒歩でふと気がついたのが蝉の鳴き声。去年はやかましいくらいにうるさかったのですが、今年はまだ鳴き出していない状態。去年よりも二週間ほど梅雨明けが遅かった影響なのかも?
 もちろん、蝉が鳴いていなくても当日の最高気温は37℃近く。暑いのは暑いのですが……
相模原キャンパス近くの森
暑い

 会場に入るとすぐ見えてきた売店群。ふと気がつくとガチャガチャが置いてある。なんだろうと思って見に行くと「航空宇宙(JAXA)ガチャ」。金もないのに発作的に回してしまいました。
 出てきたのが「宇宙飛行士+EMU(船外活動ユニット)」と「だいち2」。前者は最初、既に使われていないMMU(船外機動ユニット)と勘違いして、なんで?って思ってしまったり(緊急用の小型のもの(SAFER)はちゃんと装着されている状態のモデルになっている)。
 その横とか会場のそこかしこに宇宙兄弟の関連商品と思われるものが結構あったのですが、子供から大人までそっちには目もくれずJAXAガチャを回しておりました……ダメだ彼らは…鍛えあげられすぎている……
JAXAガチャ宇宙飛行士
ディティール細かいけどバイザーの塗りだけちょっとダルい

 いきなり予想外の展開になりつつ、目の前の第一会場へ……と思ったら、職員らしき人が「第一会場はすごい混んでいるので他の会場へお周りください」とのアナウンス。
 初日は金曜日であんまり人も多くなかったのですが、開場直後くらいに到着したので、第一会場に人が集まったんだろうなぁと。整理券の必要なところもいくつかあったせいかも。
 
 そんなこんなで、実際は順不同で回ってたりしますが、ここからは順番にまとめた内容を書いていく感じで。

●第一会場
●ひさき
 入り口を入ってすぐ右手にあるのが、惑星分光観測衛星「ひさき」http://www.jaxa.jp/projects/sat/sprint_a/index_j.html)のブース。
ひさき実物大模型
実物大だったかな?

 極端紫外線光というX線に分類されるかギリギリくらいに波長の短い紫外線を観測することで、太陽系の他の惑星の大気の状態とかを細かく観測するのが主な目的の衛星。
 何で極端紫外線なんて名前の光を観測するのかというと、この紫外線は高いエネルギーを持つ(例えばプラズマみたいな状態になった)物質からしか出てこないので、それを観測すると、色々な惑星から飛び出してきて、太陽風とか他の色々な原因でエネルギーを持つようになった大気を観測できるからだそうで。
 こうした惑星から漏れだす大気を詳しく観測することで、どうして火星から大気が出て行ってしまったのかとか、木星の周囲のプラズマの状態がどうなってるのか調べていくんだそうです。
 ちなみに、もっと高いエネルギー(高い温度)をもつ物質からは後で触れるX線やらガンマ線が出てきて、それを観測するためのX線天文衛星があります(今回はじめて知ったのだけど、X線とガンマ線は波長の長短で区別されているのではなく、それぞれが発生する原因で区別されているそうです。詳しくはこのあたり)。
 んでもって低い温度では赤外線が出てくるのでした。
 
 極端紫外線はレンズで屈折させることが難しいので、反射望遠鏡にする必要があったりとか、この後出てくるX線観測衛星とかでの工夫も絡んで、結構興味深かった次第。
 後で調べたら、これにT-Engin(T-Kernel)とか使われてたのを知って驚いたり(イプシロンロケットと、「ひさき」にはμTRONとT-Enginが使われている)。
 あと、ねっしー(NESSIE)が居た。
ねっしー(NESSIE)の二人(?)
ねっしー、なんで二人いるのか謎


●はやぶさ
 前回、前々回は会場に掲げるように立っていたはやぶさの実物大模型。今年の展示では今までよく見えなかった上面を見やすくするためか下におろしてあった。
はやぶさ実物大模型
やっぱデカい

 あと、回収時のスーツが地雷用対爆スーツみたいだったり、ターゲットマーカーの実物大模型が力の抜けたぬいぐるみ的なものに見えてしまったり。
カプセル回収用安全防護服
地雷除去作業みたいな
やる気のない「はやぶさ」ターゲットマーカー実物大模型
絶妙なたるみ具合から醸しだされるやる気の無さ
はやぶさ再突入カプセル模型
見た目より重い
はやぶさ再突入カプセル位置
画像の丸い部分は熱シールド付きなのでカプセルより一回り大きい

 今回はカプセルの実物大模型も置いてあったりして、実物と同じ重さで持ち上げることも出来るようになっていましたが、これががまた結構重かったり。オール金属製で、大気圏再突入時の熱だの衝撃波だのから中身を保護する必要があるから仕方ないんですが。
 このカプセル、大気圏再突入後の回収のために、一定時間電波を出すように設計されていました。で、数年にも及ぶ紆余曲折を経て地球にカプセルを突入させる段になって、この電池がまともに機能してくれるのか、またどれくらいの間電波を出し続けられるのかサッパリ分からなくて大変だったようです。このあたりのバッテリ関係の話は後ほどまた出てきます。

●月とか
 月のデータベース
 今回の展示で興味をもったものの一つが、半球状のスクリーンにプロジェクタで星の様々な情報を映し出すシステム。見てるだけでも色々楽しい感じ。グリグリ回すともっと楽しい。
 表示されるデータは主に月探査衛星かぐやから得られたものなのですが、こうしたデータは「かぐや3Dムーンナビ」として公開されているようです。4D2UプロジェクトのMitakaとかこれとか、色々見て操作するだけでもすごい楽しくていいなぁ。
 
球形プロジェクタ
左:トリウム分布
中央:全球モザイク画像(普通に見える姿)
右:レーザーで調べた月地形の高さ
んでもって月の色々を見ていくと、月には縦孔がたくさんあって、これはどうも穴の底は広がっているようだぞという事で、探査機を送って調べてみようという計画が。
 そんなもん調べてどうするんだというと、月の表面は大気がないとか、磁場がないとか、そのおかげで、寒暖の差が激しすぎるとか、太陽風とか宇宙から降り注ぐ色々が直接地表に降ってくるとか、自転が地球の周囲を回るのと同期していて昼も夜もものすごく長いとか、地表の砂(レゴリス)が結構厄介とか、人間が行って長期間探査したりするにはあまりに過酷な環境。
 そんな月の地表を避けて、地下にある縦孔、さらにはその奥に広がっているらしい洞窟?できれば、様々な問題が大きく改善する可能性が出てくるという話。
\シュポーン/

 で、その縦孔の底がどうなってるのか調べるためには、まず探査体を送り込む必要があるのだけど、現状だと十年に一回くらいしか送れていない探査機は、もちろん縦孔以外に沢山の観測や調査を行わなきゃならない。そこで探査機本体とは別に縦孔を調べる専用の小型探査機を送ってみようという事に。
 具体的にはキャタピラで走るとか色々あるのだけど、一番目を引いたのが投射装置で投げ入れるタイプ。
 …うn。どう見てもセガのロボピッチャです……
 
着陸して、穴に投げ込んで、あとは野となれ山となれ
送り込む
さて、月の地表(レゴリス)の砂は結構厄介と書いたわけだけど、どんな風に厄介なのかは画像を見て頂けるといい感じ。
地球の砂と、月のレゴリス
左が地球の砂、右が月のレゴリス

 ……はい、全然分かりませんね。画像のケースの中に封入された砂のうち左側が地球の砂、右側が月の砂を再現したものです(再現したけど実物じゃない)。
 実際に見ると分かるんですが、何というか挙動がい全然予測できない。地球の砂のようにサラサラするときもあれば、砂鉄というか静電気を帯びた塵のように何かに引っ張られることもあり、地球の砂よりもはるかに細かくて水みたい動きをする時もあり、なんともこう説明しがたい感じ。細かいので舞い上がると(空気抵抗のない月面でも)中々地表に降りてくれなかったり、宇宙服とかにまとわりついて取れなかったりすることもあるらしい。
 縦孔の中は現時点ではこうした砂がないと推測されていて、そうした点でももし縦孔の下に大きな空洞があると便利なんだとか。
 
UZUME計画ポスター
うずめの人
で、これが縦孔の中を調べる計画(UZUME計画)のポスター的な。
 天の岩戸を開くという意味なんだろうけど、なんというかこの。いいのかこれ。

 ところで、月有人探査の計画とか長期計画の中で検討している的な説明もあったのだけど、とっとと送れというわけには行かないんだろうなぁと思ったり。自分も含めて死んだって構わないから宇宙に行ってみたいという人は少なくないだろうけど、送る方としては「物事ってのはそんなに単純でも簡単でも無えよ!、大航海時代だって色々あったんだぞ!」って感じで。


●太陽観測衛星ひので
 「ひので」こっちこっちも参照)の観測した映像の中で、とにかく凄いのがこの画像。とりあえず、説明抜きで見ていただけるといい感じ。

 とにかく凄い。圧倒的という言葉しか出てこない感じで。

 で、こんな映像撮影してたら、観測機器とか間違いなく熱で吹っ飛びそうな感じ。どうやってこんな映像とっているんだろう?と不思議に思ってたら、今回の特別公開でその理由が分かったり(「ひので」は2006年に打ち上げられて、何回も特別公開のブースで展示されているから、以前から説明されていたはず)。
 どうやってあの圧倒的な太陽の熱、しかも地球大気を経ない直接の光を観測しつつ観測機器を守っているんだろうと思ってたら、「余分な光は鏡(排熱鏡)で外に出す」という割と簡単な方法を採用していた。
ひのでの排熱鏡の位置
側面に開いている黒い穴が排熱鏡で反射させた光を捨てる穴

 排熱鏡というのは、「ひので」の観測装置、この場合は光学望遠鏡に入ってくる光のうち、観測しなくてもいい部分の光を「ひので」の外に反射してしまうというヤケに簡単な仕組み。
 多分、地球で太陽観測するみたいに濃い色のフィルタ使ってるんだろうなぁと思っていたけど、それだとフィルタそのものが熱を持ってしまうという問題があったんだろうなと勝手に推測したり(排熱鏡の反射率が低かったりゴミがついていたりすると、そこから高熱になったりする事はあるらしい)。
ひので排熱鏡の働き

 それならそれで、排熱のためにほとんどの光を反射させてしまうなら最初っから口径の小さい望遠鏡でいいんじゃね?と素人なりに考えてしまうのだけど、このあたりの詳しいことは聞きそびれてしまったり。次回への宿題なのかなと(行けたらだけど)。

 で、以前から映像とか見ていて謎だったのが「なんで望遠鏡で磁場が観測できるのか」って事。普通、磁場は目に見えないし、磁石の磁力線にしても、砂鉄でも撒かないことには、どこに磁力線が走っているのかサッパリわからない。
 それなのに、最近の科学雑誌やネット、テレビ番組で見られる映像には見事な磁力線の流れが映しだされている。なんでこんな事ができるんだろうと思っていたのだけど、今回ようやっとその仕組みというか理由を知ることが出来たり。
 
 どうやっているのかというと、偏光フィルタを掛けて観測しているだけ。なんでそれだけで磁場がどこに走っているのか分かるのかというと、ファラデーの(電磁誘導の)法則を使ってるという。
 中学生の頃に習った実験を思い出してみると、エナメル線を巻いたコイルに電気を流すと、その中を流れるように磁場が発生するのがあったんじゃないかと。
 逆に強い磁場の中では電気は磁場の周囲を回転するように動いてしまう。原子の中とかプラズマの中の電子も同じで、強い磁場の中では、磁場の方向に揃って回転してしまうのだ。
 こうした回転する電子とかの中を通過する光は、影響を受けて電子が回転している方向に偏光されてしまう。
 だから偏光フィルタを掛けて明るい部分と暗い部分を調べれば、どこで磁場がどっちを向いているのかがわかるという。
偏光による磁場観測の原理


 ただ、「ひので」で調べられる磁場は表面だけ(見える部分だけ)に限られている。それだけでも凄いとは思うのだけど、調べる方としては若干残念さが残るらしい。で、次の太陽観測衛星では、太陽の各層でどのような磁場があるのかも調べられるようにする計画だそうで。一体どうやって調べるつもりなのかサッパリ分からん……

 んでもって、「ひので」は地球の周りをぐるぐる回っているのだけど、その軌道が太陽同期軌道と説明されていたので、どんな軌道なんじゃろ?って調べてみたら
 
 こうだった。
太陽同期軌道説明
太陽同期軌道


●ベピ・コロンボ、ERG衛星
 子供多すぎて見られなかった……展示そのものも、子供に見て興味を持ってもらうことを主眼においていたので、そこにオッサンが突っ立ってても異様なのですが。

 ERG衛星のペーパークラフトが風車みたいだった。


●あかつき
 去年も色々聞いてきた金星探査機あかつきこちらも参照)、いつのまにやら金星周回軌道再投入まであと1年に。
 去年は(あんま書いてないけど)、「あかつき」のデータの送受信について、なるべく小さなデータで大量の情報を送る工夫とか、色々聞いてきたのだけど、今回は主にバッテリについて(バッテリについては後でまた詳しく書くけど)。
 「あかつき」に搭載されているバッテリは、「はやぶさ」に搭載されているバッテリと同じメーカー(古河電池)のもので、兄弟ほどではないけど、従兄弟くらいには似ているのだとか。
 で、どこが違うのかというと、はやぶさのバッテリは、地球よりも太陽から遠い軌道での長い運用の間、観測計画の中で5回の充放電ができれば問題ないとされていたのに対して、「あかつき」のバッテリは、地球よりも太陽に近い軌道で、金星に近づくまではずっと待機状態、逆に金星周回軌道に入ってからはほぼ毎日充放電を繰り返すというバッテリにとってはキッツい条件。なもんで、いろいろな工夫がされているのだとか。
 で、今回じわっと見ていて気になったのが、「あかつき」の太陽電池パネル。
あかつき太陽電池パネル
これは表(太陽電池パネル)側

あかつき太陽電池パネル裏表説明
裏は鏡的な

 表側から見ると普通の太陽電池パネルっぽいんだけど、裏に鏡が付いている。裏から光があたった時に反射して熱を取り込まないようにするのと同時に、熱を上手いこと逃がす工夫がされているのだとか。
 たしかに夏になると毎年実感するように、太陽は不自然なまでにファッキンホット。あんなのに地球よりさらに近いのであれば、もう人生投げ出したくなるくらいに熱いのは間違いない……(個人の感想です)。

●IKAOS
 いきなりですが、IKAROSこちらも参照)については、去年プラズマセイルのところでちょっと言及したら、あとで関係者さんからツッコミを頂きました。IKAROSの帆は、光圧(太陽の光)で得られる反動を利用するもので、太陽風の反動を利用するタイプではありませんでした。スマヌ(しかもまだ、画像を直していないという)。
 
 二階フロアに大きく取られたIKAROSとか次世代ソーラーセイルの展示。IKAROSの次は木星探査という感じなのだけど、今回色々聞いたおかげで、いくつか分からなかったことが分かったり。
 一番驚いたのが、IKAROSのソーラーセイルの主な材料であるポリイミドフィルムの話。
 宇宙空間で使うようなものだから、日常とはかけ離れた素材なんだろうなと思ってたら、別にそうじゃなくて、例えばノートPC内部のHDDの接続ケーブルに使われていたり(オレンジ色の部分がそれ)、基板とかに使われいたり。ポリイミドそのものも、比較的昔(1960年代)から使われている素材だったり。
HDDケーブルがポリイミド
オレンジ色のケーブルがポリイミド

 で、古くからあって、割と高性能な素材なのに何で広く使われていないのん?って尋ねたら、やっぱり高いんだそうで。
 IKAROSみたいにあんなに広く使うとなるともう……
 で、IKAROSではフィルム上にして使われているポリイミドだけど、後で詳しく書く様々な観測/探査体(人工衛星とか)の熱コントロール、断熱素材のほうではポリイミドフォーム(発泡素材)として使われていたりして、同じ素材とか研究の成果がいろいろな形で広く使われているんだなぁと実感。
 
 さて、色々な観測を終えてマキシマムサクセスを達成したIKAROS。未だに運用中なのだけど、今何しているのかというと、5月ごろに冬眠モードから覚めて、今まで得られたデータでまだ送信できていないものを一生懸命送ってる状態みたいな。8月ごろに再び太陽の光を受けにくくなって冬眠モードに入ってしまうのでそれまでに得られたデータを全部回収するのが今のところの目標。
 衛星としての機能が失われているわけではないので、まだ活躍できそうだけど、この先どうなるのかはまだ決まってない感じで。

 ところでこのIKAROS、液晶を使って太陽光の反射率を変えて姿勢制御を行う部分だけが大きく取り上げられているけど、やっぱり普通のスラスタも積んでいたり。で、このスラスタが新しいタイプのものなのだとか。
 通常スラスタは高圧の状態でタンクに入っている気体か、必要に応じて燃焼させる液体燃料式の者が主流なのだけど、IKAROSで使われているのは気液平衡型スラスタというもの。これは圧縮すると液体になって体積が小さくなる気体をタンクの中に液体の状態で詰めておいて、必要に応じてその分量だけガスを気化させて使うというもの。
 説明だけ聞くとすごそうだけど……つまりはガススプレー(もしくはカセットコンロのボンベ)だこれ!?
気液平衡型スラスタ説明
押すと出る

 でもこれ実用化するには色々苦労があったんだろうなぁと(無重量状態でどうやって気体と液体の両方が入ったタンクから気体だけを取り出すのか、とか)

 で、運用してる方が「次のソーラーセイルは、(IKAROSなんて絶対墜ちるだろ的な縁起の悪い名前じゃなくて)できるだけ縁起の良い名前にしたいけど、これだけ縁起の悪い名前で上手く行っちゃったから不安」(意訳)と話していたのがなんとも……


 そんなこんなで「その2」に続きます。

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