◆んなわけで
その2からの続きです。
今回写真イラスト少なめで本当に無念……
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その1、
その2、
その3
●軌道太陽光発電システム
静止軌道上に巨大な太陽電池パネルを広げ、そこから発電した電気を地上に送信しようという、軌道太陽光発電システム。今年は文科省と一緒に電力の送信実験をやったはずなのですが、その話聞きそびれたー!!!(今年は、こんなんばっかりだ)
でも聞けて面白かった話題がひとつ。
宇宙空間で太陽電池パネルを実際に展開すると、太陽電池側と、発電した電力をマイクロ波にして送る送電パネル側でやっぱり温度差が生じてくる。すると太陽電池パネル全体が少しづつ歪み、結果、マイクロは送電パネルが歪んで送電効率が落ちてしまう。
今までは、この歪みを修正・調整するためと太陽電池パネルの展開のために、写真みたいな構造と普通のモータを使うことが考えられていた。
ところが、これだとやっぱり重い。モーターそのもの部品も多いし、チェックが大変になる上に壊れたら修理が面倒くさい。
そこで今回紹介されていたのがカーボンナノチューブを利用した「人工筋肉」(CNTアクチュエータ)。
見ため黒いテープでしか無いのだけど、これが電気を流すとギュンギュン曲がる。
面白い。
内部に電解液が入っているため、真空中での利用や、太陽光線に晒された時の問題など、まだまだ考えなければならない部分は多いようだけど、なんといっても構造が単純で部品数が少なく、何より軽い。
もちろんこのCNTアクチュエータ、太陽電池パネルの展開と修正・調整だけに使うのは勿体ないということで、どんどん研究を進めていくとのこと。
軌道太陽光発電システムから生まれた「人工筋肉」。
研究の不思議さを思い知らされたり。
●電波天文学
さて、いつ行っても何か面白い、個人的には興味が深い電波天文学。
今回の特別公開では、以前から気になっていた疑問が幾つか氷解したり。
衛星に搭載されるものにかぎらず、様々な観測装置や検出器は、だいたい冷却に対して非常に気を使っている。
この前の本でも紹介した赤外線天文衛星「あかり」は、観測装置冷却のために、X線天文衛星「ASTRO-H」もマイクロカロリメーターのために液化ヘリウムを搭載し、「あかり」はその蒸発を押さえるために冷凍機すら積んでいたり。
衛星じゃなくても、地上で使われる赤外線カメラなどは、センサの冷却のために割と大きめのヒートシンクやら何やらが付いている。液化窒素や液化ヘリウムで冷やすことも多い。
電波天文学でも同様に観測装置に巨大な冷却装置がついていたり、新しく開発された観測装置はマイナス260℃で冷やして性能を大幅に向上させたものもある。
じゃあそもそも何で冷やすの、ってのが疑問になってくる。
そこで重要になってくるのが温度。
電波天文学や赤外線天文学といった分野では、観測目標となる星やガスは、基本的にメチャクチャ冷たい。
光学望遠鏡で観測できる天体は、光学の名前の通り、可視光線を出して光っている。その表面温度はおおよそ数千℃から数十万℃程度。一方の赤外線天文衛星の場合、狙う天体の温度はだいたい1000℃から氷点下数百℃。電波天文学で扱われる宇宙マイクロ波背景放射に至ってはわずか3ケルビン(だいたいマイナス270℃)しかない。
こんなに冷たいものの僅かな温度差を観測するとなると、一番問題になってくるのが観測装置自体が持つ熱。
観測対象よりも熱いもので冷たいものを見ると、観測されたデータが観測装置自身が出す熱などの「ノイズ」のためにかき消されて、何がノイズなのかデータなのかさっぱりわからなくなってしまう。
なもんで、まず自分自身が出すノイズを抑えるためにガッツリ冷やして、データをちゃんと取れるようにすることがまず重要になってくるのだ。
じゃあ先に出てきた「ASTRO―H」は、X線天文衛星なのに、なんでヘリウムで冷やすの?、X線源ってブラックホールの降着円盤だったり、超新星だったりするんでしょ?って疑問が出てくる。
これにもちゃんと理由がある。「ASTRO―H」のマイクロカロリメーターは、「たった一つのX線(あるいはγ線)粒子」が観測機器に衝突した時の温度差を検出する。確かにX線は宇宙にある超高温の場所からやって来るけど、一つ一つのX線の光子で見ると、それほど高いエネルギーを持っているわけではなく、観測機器に衝突した時の温度差は本当に微々たるもの(逆に光子一つでそれだけの温度差が生まれるというのがすごいのだけど)。その僅かな、本当に微かな温度差を検出するには、やはり観測機器は極低温と言われるほどに冷やしておく必要があるのだ。
ダイナミックな天体活動の中に潜む僅かな変化を検出するためには、ダイナミックに冷やす必要があるのかと改めて驚いた次第。
で、こうした観測機器は常温だと動かないのかなと思って聞いてみたら…
「ちゃんと動きます。でもノイズがひどくて、観測に使えるレベルじゃなくなっちゃいます」
なるほどなー
さてもう一つ謎だったのが、電波望遠鏡で撮影されたとされる様々な画像の謎。
電波望遠鏡で撮影された画像は、光学望遠鏡で撮影された画像に比べれば解像度は低いけど、ちゃんと一枚の画像になっている。
ところが電波望遠鏡をよく見ると、光学望遠鏡でよく見られるCCDのような部分がない。もうちょっと正確に言うと「CCDの用に、無数の点で同時にデータを得られるような構造にはなっていない。
それなのにどうやってあんな画像が撮れるのかな?と思って聞いてみた。したら
「あれは観測範囲全体をスキャンして画像を得ています」
なんと……
言うなれば、目標の星空を一本の針で削っていく感覚。
波長の問題もあるのだろうけど、光学望遠鏡がある意味シャッター一つで空の一角の画像を得られるのに対して、電波望遠鏡は画素の数だけパラボラを左右に振って少しづつ画像を描いているのだ。
で、もう一つ不思議に思っていたことがある。前の本でも述べたとおり、天文現象はたしかに人間スケールでは変化はほぼ無いけど機材の微妙な変化や観測条件の変化で、得られたデータをただ重ねていくだけでは(コマ撮りのアニメーションを撮影するとライトが明滅してしまったりするように)うまくいかない部分が出てくるはず。
その辺りはどうやって調整しているのかと思ったら、天文台は光学でも電波でもそれ以外でも、ちゃんとキャリブレーションを行っているのだとか。
人力キャリブレーションとか、感と経験がモノを言う部分もあるのだけど、面白かったのが星を基準にする方法。
まず常に同じ光を発しているとか、常に同じ周期で光や電波)の明滅を繰り返すとか、特徴のある星をいくつも探しておく(これは国際的に取り決められた星もあるみたい)。
観測を始める前に、まずその星を観測して観測機器を調整し、実際の観測を行うのだ。
なるほど、変光星とかの天体はそのほとんどは(人間スケールで見れば)ほぼ同じ周期で同じ変化をしてくれる。それを基準にすれば、望遠鏡の観測精度が保てる。
面白い方法だなぁと思った次第。
あと、今回ちょろっと聞いて驚いたのが、前回の本で説明したスペースVLBI。日本では「はるか」がその役を担っていたけど、今はそうした計画はない。海外でも似たようなもので、例えばNASAはハッブル宇宙望遠鏡の後継であるジェイムス・ウェップ宇宙望遠鏡などの光学望遠鏡に注力しているため、スペースVLBIを行っている所は無いと持っていた。
したら、ありました。
ロシアの宇宙電波望遠鏡「ラジオアストロン」が二〇一一年に打ち上げられ、スペースVLBIの一部として現在も運用されていました。
びっくり。
●ハイブリッドロケット
さて去年の本でも触れたハイブリッドロケット。今回はもうちょっと詳しいお話が聞けたのでじんわり説明していこうかと。
説明がある程度重複してしまうけど、そのあたりはご勘弁を。
まずはハイブリッドロケットって何よって感じなのだけど、これは燃料が固体で、酸化剤が液体だったり気体だったりするタイプのロケットエンジン。
液体燃料ロケットの代表がH2シリーズ、固体ロケットの代表がイプシロンだとしたら、その中間に当たるロケットと言っていいかも。
で、ハイブリッドロケットがどんな利点があるのかというと、燃料が固体なんで、扱いが楽だということ。作ったら作りっぱで放置しておいて、打ち上げが決まったらパッと用意できる。固体ロケットとしての長所を持っているのだ。だが液体燃料ロケットではこうは行かない。燃料の製造や保存に気を使わなければならないし、打ち上げの直前までロケットとは別にしておいて、打ち上げ時に注入する必要があるし、打ち上げ中止ともなれば、今度は抜き取る必要がある。そりゃもう大騒ぎ。
次にありがたいのが、燃料(推薬)が火薬じゃないこと。イプシロンに代表される固体ロケットは、その燃料の中に酸化剤が入っているので、一旦火がついたら勝手に燃え進んでしまう。保存中も爆発などの事故の可能性を常に考える必要がある。ハイブリッドロケットはそもそも燃料(推薬)に酸化剤が入っていないので、消そうと思うなら酸素を遮断してやればいい。
また酸化剤の流量を変えれば、推力制御もできるし、必要とあれば途中でカットオフ(燃焼中止)もできる。
液体燃料ロケットと固体燃料ロケットの長所を集めたみたいな感じだけど、短所が無いわけじゃない。というか、固体や液体ロケットと比べると実に微妙な感じ。
一番大変なのが酸化剤の調整。一回火が付いたら後は勝手に燃え進んでくれる固体燃料ロケットや、酸化剤と燃料を細かく調整することが出来る液体ロケットと違って、ハイブリッドロケットは燃料と酸化剤がどう触れてどう燃焼していくのかまだハッキリとは分かっていない。
何で分からないのってことなのだけど、推薬と酸化剤が触れる部分の形状(表面状態)が、常に変化し続けていて、予測がすごい難しいのだ。
酸化剤と燃料の比率は一定であるのが一番嬉しいけど、ハイブリッドロケットはまだ研究の途上であるのも手伝って、中々そうも行かない。燃焼の具合によっては、振動が起こって、エンジン内の推薬が砕けて、予想外の燃焼が起こってしまうかもしれない。そうでなくても、推力制御などで酸化剤を減らすと、その比率が大きく変わってしまう。
うまく使えれば便利になることは分かっていても、うまく使う方法を模索している状態と言っていいかも。
でもこうした中でも少しづつ研究が進んでいるようで、最近では観測ロケットに用いてみようとか、観測ロケット級のハイブリッドロケットをクラスタ化、多段化して低コストな超小型衛星の打ち上げシステムを構築していこう計画が進んでいる模様。
燃焼の問題とか根深そうなところもあるのだけど、興味深いのは相変わらず。ぜひとも上手いこと進んで欲しいところだったり。
●小さな体に大きな苦労
さて、最近日本だけでなく様々な国で活発化している小型衛星の研究開発。
軽量低価格そして打ち上げまでのスパンの短縮を武器に、小さな体に色々な技術と工夫を詰め込んだマイクロサットは様々な利用と応用が考えられているのですが、小さいからといって苦労も小さくなってくれるかというと全然別。小さなボディにはは溢れんばかりの夢がつまり、うんざりするような苦労が溢れだしていたりします。
・送るに送れぬ多量のデータ
こうした苦労の中で最近特に注目…というか頭を抱えさせているのが、電力問題と衛星からのデータの送信。
小型衛星が多機能化、高機能化するに連れて使う電気も増えているのだけど、太陽電池パネルのは、その大きさ(1辺の長さ)が半分になると発電能力が1/4になってしまう(!)。
電力が十分使えないというのは、衛星にとっては致命的な問題。
電池の所でも話したとおり、電力がなければ必要な装置は動かせないし、観測した結果を地上に送ることすらできない。
でも電力不足に関しては、搭載機器の小型化や省電力化が進んでいる今はどうにかやりくりできている状態。
一方でそうは行かないのが衛星からのデータ送信。省電力化だといって地上にデータを送るときの送信出力を下げる訳にはいかない。
大電力がれば、ドバっと送ることもできるけど、小型衛星だとそういうわけにも行かない。
例えば重さ2.1トン、太陽電池の大きさが16.5メートルもある「だいち2号」は、堂々たるアンテナを備え、大出力で送信できるため、地上に800Mbpsでデータを送信(ダウンリンク)することが出来る。しかもデータ中継衛星「こだま」に中継してもらうことも出来る。
ところが、重さ100キロ程度の小型衛星はそうはいかない。使える電力は限られ、アンテナは小さい。データ送信に使うアンプもちんまり。おかげで、ダウンリンクはせいぜい数十Mbpsくらい。速度差はおよそ20~40倍にもなる。これは遅い。
でも観測機器などは比較的新しいものを搭載することが出来るため、観測精度は向上し、送るべきデータはどんどん膨大になってきている。
どうすりゃいいものか。
というわけでまず考えだされたのが送信波を効率よく増幅して、かつ歪みのすくない小型パワーアンプ。でも根本的に電力が少ない以上、パワーアンプで電波を増幅することで増やすことの出来るデータ送信量はそれほど多くない。
じゃあどうするか、考えだされたのがスマフォなどの通信で使われるデジタル変調で「電波の一波長分の中に沢山のデータを詰める方法」を利用すること……なにそれ?
詳しく説明すると、ものすごい面倒くさいので簡単に説明してみる。
普通、電波にデータを載せる、ということを考える時、下の図みたいな感じで搬送波と呼ばれる電波にデータを振幅に載せて送る方法が頭に浮かぶんじゃないかと。
ところがそれだと一つの波長の中で送れるデータは1ビットくらいになってしまう。
そこで搬送波の周波数は変えずに(衛星との通信に使うことが出来る周波数帯域は国際条約で決まっているので、それ以外の周波数が使えない)、搬送波一波長分の並で送られてきた電波を調べてその振幅と「電波がどの位相から始まっているか」を探す。その情報から元々決めておいた表に従って「これはどのデータが送られてきたのか」を探して。一度にたくさんのデータを受け取るのだ。
幸い、コンピュータの処理能力が高速化したおかげで、衛星から送られてきた電波が「搬送波の周波数で考えるとどの当たりの位相から始まっているか」や「信号の振幅」をちゃんと調べられるようになっている。そもそも、このデジタル変調の方法は、スマートフォンや公衆Wi-Fiなどで高速通信を行うために既に実用化されているのだ(1波長に8ビット分のデータを載せるところまでは実現している)。
このデジタル変調を使うことで、小型衛星で使うことの出来る少ない電力で高速データ通信を実現しようと言う感じ。
宇宙ではまだ制約が多いのか、一波長に4ビット分のデータを載せるところまでしか実証実験できていない。けどこれでも348Mbpsという速度が出る。これがどれくらいの速度かと言うと、前回の本でも紹介した「よどほし3号(ハローキティ搭載型)」の約35倍。ダウンリンクの速度が上がると、より細かい観測データが送れるようになる。そうなると、より高度な観測装置を積むことが出来るようになってくる。
小型衛星で可能な実用分野や実験が増えてくるわけで、速ければ速いほどいい……これからさらにデータ密度を上げて、500Mbpsのダウンリンクが可能可能になるように研究を進めているとのことでした。
・使えるものは裏でも使え
先に説明したとおり、小型人工衛星の性能が向上するにつれて、各種機材やデータ送信に必要な電力が不足し気味になっている。電力不足なら太陽電池パネルたくさん広げるか貼るかすればいいじゃん、ってことになりそうだけど、重さやら何やらがあって、中々思うようには行かない。折りたたんでいったとしても、広げるときの方法や広げた後の固定があるし、慣性とかの問題でマニューバに手間がかかるとかもある。
そこで、思いついた方法の一つが「最初っから絶対に必要な部分の使ってないところの利用」。
小型科学衛星の中でレーダーなど電波を使った実験を行う場合は、電波の送受信を行うためのアンテナが必要になる。アンテナの大きさは直接解像度(観測精度)につながるため、できるだけ広い方がいい。で、大きな(平面の)アンテナを広げることになるのだけど、その裏側は基本的に使われていない。そこに太陽電池パネルを貼ってしまおうというもの。
もちろん、太陽電池パネルをアンテナの裏に貼ると、太陽電池パネルとアンテナの使い分けが必要になる。
アンテナを使っている間は、太陽電池パネルを理想的な方向に向けるわけにも行かず、逆に太陽電池パネルを使っている間はアンテナとして利用することはできない。姿勢制御マニューバや、電力をうまくためて使うためにバッテリのことも考えなきゃならない。
けど、今まで使っていなかった部分の有効活用は、大きさと重さが肝になる小型衛星にとってはとても重要になってくるんじゃないかと。
小型化から生まれる様々な問題とその解決のための試行錯誤は見ていて楽しく興味深い感じ。もちろんこれは部外者だからそう思うのであって、実際に研究してる側としては数多を抱える毎日なんだろうなぁと。
マイクロサットも、どんどんおもしろくなってきているんじゃないかと。
●アンテナ違い
前回の本で「はやぶさ2」「だいち2」、そして「あかつき」に搭載されているアンテナはフェイズドアレイアンテナと書いてしまったのだけど、後から色々調べてみたら大間違いだったことに気がついてしまった。
「はやぶさ2」と「あかつき」に搭載されているアンテナはフェイズドアレイアンテナではなく、ラディアルフィードスロットアレイアンテナ、と呼ばれるもの。長いね。
ナンじゃそりゃと思われるかもしれないけど、説明するのがとてもめんどい(またか)。
構造的には、円形のものも、四角いものも基本的には同じで2つの細長い穴が直角に傾いたT字型になっているものが1セットになっていて(フィード)、それがズラっと並んでいる(アレイ)。このT時に並んだ穴の形状は、扱う周波数によって自動的に決まり、穴の位置も式で表すことが出来る。その一方で、穴の位置は正確じゃないと困るので、コンピュータ制御の工作機械で厳密に仕上げられていたり。T字型のフィードの角度を変えると偏波の方向や角度も変えられるらしい。
これが円環状に配置されているものはラディアル(円環)フィードスロットアレイに、直線上に並んでいる物がライン(直線)フィードスロットアレイとなる感じ。
さて、アンテナにパラボラ型のものを使わない理由はいくつかある。
パラボラ型アンテナを使う場合に、一番の問題になるのが、打ち上げ時の体積。巨大な傘を広げたまんまでは収まりが悪い。かといって、打ち上げ後に展開するような形だと、正常に展開できなかったら他の機材が正常でも役に立たなくなってしまうし、展開した後で必要な精度を出すための苦労が大変。
もう一つの問題は熱。
パラボラ型のアンテナは、扱いやすくて性能が高い一方で、電波以外も焦点に集めてしまうのだ。
一番厄介なのが可視光線や赤外線。地球軌道でもかなりの熱になるけど、「あかつき」が活躍する金星軌道あたりだと、もう大変。パラボラに集まってきた光は、副鏡や焦点にある通信機材や観測装置にダメージを与えてしまうのだ。
そこでフィードアレイアンテナの出番となってくる。電波のような波長の長い電磁波に対してはパラボラ同様に焦点に綺麗に集まってくれる(もしくは指向性を持って発振してくれる)一方、光のような波長の短い電波に対しては平面でしか無い(◆図必要)。
これは…ありがたい。
他にもヘリカルアンテナとかあったのですが、こちらの方はページが増えすぎて紹介を断念……また機会があれば……
きっちり調べたつもりでも大ポカのミスをしてしまって、前の本を買っていただいた方には申し訳ない反面、間違いを指摘していただいたついでに、新しい色々を聞けたりして全くありがたいやら恥ずかしいやら。
アンテナもまた深いんだなぁと思った次第。
●んでもって
なんとかかんとか終わったのですが……
こ、今回もギリギリになってしまいました……おまけに今回は(も?)積み残し多すぎる……火星パラフォイルの話とか、再使用ロケットとか、熱の話とか、「はやぶさ」が回収してきた塵(ダスト)の解析のお話とか、「IKAROS」関係のいろいろとか、「DESTINY」とか「PROCYON」とか火星飛行機とか「ASTRO-H」とか!
でも時間ががががが……次に何とかできたら……どうにか……
どうかお楽しみ頂けたら良い感じで。
また来年も行くぞー