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そんなわけで、ヘロヘロになりつつ最後です。
でも濃いよ!(趣味的濃度が)、熱いよ!!(物理的な意味で)
★めんどくさい人のための斜め読み用リンク★
その1、
その2、
その3、
その4
●大気球
特別展示のここまでの紹介でも、電波望遠鏡や、マイクロサット搭載機材の動作とか性能確認のための試験、IKAROSのソーラーセイル展開試験、今年じゃないけどエアロシェルの実験などなど、様々な観測や実験で用いられている
大気球。通常の気球とは見た目も到達高度も大きく違う「高高度気球」に分類されている。
日本の大気球は、なんと到達高度の世界最高記録を持っているのだとか。
ただし、ペイロードが重けりゃそれだけ到達高度も低くなってしまう訳で、最高記録した時の機材はせいぜい数キログラムだったとのこと。この辺りはまあ仕方ないし、数キログラムの機材でも多くのことを知ることが出来るようになってきたのだから、それはそれでいいのかなと。
さて、それぞれの紹介の部分で説明してきた通り、大気球は大気が非常に薄い宇宙に近い環境が得られる高度にまで機材を持ち上げられるだけでなく、ロケットなどで打ち上げるよりも安価に、打ち上げまでのサイクルを短く出来て、コストが安い。
ロケットと違って打ち上げ時の振動も少なく搭載する機材の条件は、ロケットを使う場合とは比べ物にならないほど緩い。これはまた、観測機器が打ち上げに伴う問題に見舞われたりすることが少なく、コストが安くできる事にもつながる訳で。
打ち上げの高度や滞空時間などで似たような位置に観測ロケット(いわゆるイプシロンロケットなどとは別物)と呼ばれるものがあるけど、それとは差別化するための工夫も進んでいたり。
例えば上空に到達した気球は、地上よりもはるかに強烈な太陽光に照らされ、内部の気圧が上がってしまうために、適度にガスを抜くような仕組みになっているのだけど、これが逆に気球の滞空期間を縮めてしまう原因にもなっている。
他にも様々な理由があって、例えば、南極や北極の白夜の時期など、極めて限られた条件では40日以上飛翔運用を維持できるけど、日本から打ち上げた場合は、だいたい数時間~一日程度になってしまう。
そこで、今までの気球よりもはるかに高い圧力に耐えられるスーパープレッシャー気球の研究が進められている。
で、面白いのが気球が破裂する場合にも、「良い破裂」があるそうで、もっとも良いとされるのが気球全体に満遍なく裂け目が入って割れるのが良いらしい。何でそうなのかはちょっと聞きそびれてしまったり。
あと、子供が結構居て、大気球のサンプルみたいなのを貰っていたんだけど、自分は結局もらいそびれてしまった。無念。
●観測ロケット
特別展示とは直接関係ないんだけど、今回の色々でふと思った
観測ロケットのことをちょこっと。
観測ロケットは、基本的に観測機器を軌道上に乗せる必要のない短時間の実験や観測のために使われるロケットで、気象観測とかに使われている(いた?)ロケットと同じ用途のロケットというと分かりやすい感じで。
観測ロケットがどんな高度まで飛ぶかは、実験や観測で必要とされる観測時間や高度によって様々だけど、大雑把に50から1500km程度。
今日本で使われている最大の観測ロケットSS-520の場合は、弾道軌道であれば高度1000kmに140kgの観測機器(ペイロード)を打ち上げることが出来る。「そこまで打ち上げられるなら、軌道に乗せるのだってすぐじゃね?!」と思われるかもしれないけど、実際にこれに第三段エンジン(SS-520は二段式)を搭載して地球周回軌道(高度160km程度の低軌道)に乗せる場合、打ち上げ可能な観測機器(ペイロード)は14kgになってしまう。
高度1000kmまで打ち上げられるロケットが、何故ペイロードを軌道に乗せるとなると突然性能が落ちてしまうのかというと、これはH2Bやイプシロンなどの衛星打ち上げ用ロケットはその燃料の9割が「地球の衛星軌道に乗るための速度を稼ぐために使われている」ため。
じゃあ何で上に打ち上げられるかというと、上空に行けば空気抵抗の影響が減るので、まず真上方向に飛ぶ。打ち上げの途中でだんだん横になるのは空気抵抗と軌道に乗るための速度を稼ぐのにバランスの良い角度を選んでいるためだったり。
もう一つ、打ち上げられるロケットが、どこの国のものでも、でもだいたい赤道に向かって、東に向かっていくのは、地球の自転速度を借りて自力で稼ぐ速度を減らせるから。
高度を稼ぐだけなら実はあんまり苦労はなくて、単段式ロケットでもかなり上空に行ける。
逆に言えば、真上に飛ぶだけだと、たとえ人工衛星が飛んでいる高度まで飛んだとしても、地球に落ちてしまうのだ(極端な話、静止軌道や月軌道と同じくらいに上空に登ったとしても、地球に落ちてくる)。
地球に落ち戻らないためには、横に飛ぶ必要がある。という事だったり。
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上に投げてもダメなのだ |
なもんで、例えばSpace Ship Twoに代表される民間の弾道軌道往還機は、通常の衛星軌道打ち上げ用ロケットに比べると、極めて安価に「宇宙旅行」が可能になる。だけど、その一方で上空に登るだけで、そこから軌道に乗るための速度が稼げるわけではないので、行って帰ってくるだけ。無重量が体感できるのはわずか数分~十数分になってしまう。
話はずれたけど、観測ロケットは気球には不可能な高高度まで到達することが出来たり、無重量状態を衛星軌道への打ち上げよりも安価に実現できたり(時間は限られるけど)と、気球や衛星などと相補的な使われ方をする、もう一つの手段だったり。
こっちの方の発展も地味に期待しつつ。
●無線送電技術
最近は非接触型の充電システムとかよく見るようになったけど、無線送電も割と地味に進歩しててる感じで。そんな
無線エネルギー伝送技術なのですが、去年と比べてどうこうってわけじゃないんだけど、今年は無線機の電波でミニ四駆を動かすコーナーとか、実際に(吊り下げられた)模型飛行機のモーターを地面を模した下の板からの無線給電で動かすコーナーとかありました。
色々面白かったけど、子供が多くてあんまよく見れなかった。無念。
そういや、実機で実験とか出来ないのん?的な事を尋ねたところ
「電波法がねー、高出力の電波使うからー、うn」的な回答を得ました。
ああ……確かに……
●電池の話
さて今回すごい驚いたのがバッテリ関係の展示(専用のページがなかったらしくて、ペーパーには
このURLが載っていた)。聞けた話も、内容も盛りだくさん。
宇宙空間で活動する探査機とかは、太陽電池パネルで得た電力を元にして動いているのだけど、太陽とかとの位置関係で時々太陽電池が発電できなくなったりすることは割とよくあるわけで、その間に観測機とかに必要な電力を供給し続けてくれるのが電池。
人工衛星/観測機が最後まで機能を全うしていく中で、観測機器の故障以外での「人工衛星/観測機の死因」の六割以上(65%)を占め、堂々のトップとなっているのが実は電源系の障害や劣化だったり(次点は推進剤の減耗など、推進系の問題)。
行くども死線を切り抜けた、的な表現がされることが多い「はやぶさ」や、軌道上で金星との再会合を待つ「あかつき」も、それ以外の様々な人工衛星/観測機、あるいは国際宇宙ステーションの命運を握っているのは電池と言って良いかも。
さて、その肝心のバッテリが途中で完全に放電してしまって大変だった「はやぶさ」。その電池の中はというと、一部の電池で、電極に使われていた銅が電解質の中に融けだしてしまって、それが部分的に電池になったり、抵抗になったりして、充電池としての性能は極端に落ちしてしまっていたり(本来の性能の25%も出ない)。
そうした性能の落ちた電池と、まだ問題の出ていない電池が回路上分けられない直列つなぎ状態で繋がっていて、それで電池の容量の復旧を少しづつしていったのだからその苦労は相当なもの。
実際「宇宙空間であったからこそ出来た事ですので、ご家庭では決して真似しないで下さい」という方法を取ったのだとか。
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「はやぶさ」の電池復旧とか「れいめい」の電池とか |
それが功を奏して、無事電池の性能を回復させていったのだけど、そうした無茶が出来たのは「電池の中でどんな化学反応が起きたのか、今どんな状態なのか、これから何が出来るのか」を考えて再現実験で確かめていった技術者の人たちだけでなく、実際に電池を作った会社の職人さんと緊密に連絡して「この電池の構造とかから考えて、どこまでなら無茶できるか」といった相談が詳しく出来たからで、電池の、仕様には現れないギリギリの耐圧や密閉の具合を深く知る職人さんの役割はとても大きかったそうです。
「エンジニアは最後まで物を作れるわけではない(最後の部分は、どうしても実際に材料から物を作り出す、職人さん頼みになる部分は多い)。だからこそ、飛ばされたもの(探査体でも人工衛星でも)、打ち上げた以上、指令を送る以外に二度と手の届かないところに行ってしまうものを、どう把握するか、どう使うか、どこまで(徹底的に)使い倒すかがエンジニアの腕の見せどころ」。と言うのは実にエンジニアだなぁと思った次第。
で、「はやぶさ」の帰還カプセルなのですが、これもどこに落ちたかを追跡班に教えてくれる電波ビーコン、これもまた電池で動いてるわけで。関係者の方は人事を尽くしてカプセルを地球に戻る軌道に載せたわけですが、計画よりも長く放置された電池が、最後の最後で設計通りきっちり動いてくれるかどうか。
文字通り祈るような気持ちで見ていたんじゃないかと。
「ちゃんと動かなかったら、帰国した時に石投げられると思え」みたいな話もあったそうです。
ここまでは観測機用の特別に設計製造された電池の話だったわけですが、こうした特別な電池を使わないで、軌道上に打ち上げられ長期間の運用がなされているのが、小型実験衛星の「れいめい」。
民生用、つまりは市販のリチウムイオン充電池を積んでいるのだけど、電力管理をキッチリ行うことで、9年もの長期間にわたって衛星を運用し続けることに成功していたり。自分のノートPC、携帯電話やスマフォのバッテリも、そんな長持ちしないだろうなと断言できる長期間。
電池の状態を把握することで、今の状態でできる事、できない事を判断するノウハウを貯めていっているとのことでした。
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無重量空間では燃料電池から出てくる水は問題 |
ところで、こうした「子守に手間の掛かる電池」では色々大変だということで、子守に手間のかからない、つまり扱いの容易な様々な電池の開発が進められています。
その一つに「イオン液体」と呼ばれるものを利用した電池があり、今回はそれが大きく取り上げられていました。これは「ほどよし」(ハローキティの人形がくっついてた、東大の超小型衛星)に搭載されて、現在実際の環境での利用と試験が進められているようです。
さてこのイオン液体、一体何者かというと「液体の塩」という奴で、塩って塊じゃね?水に溶かさないとダメなんじゃね?って言われそうですが、水に溶かさなくても最初っから液体なのがイオン液体。色々電池にとっては便利なのだとか。
じゃあ何で便利なのというと
- イオンなので伝導性が凄い高い(これが低かったら電池にならないから話にならないのだけど)
- 融点が低い(液体になっている理由は融点が低いので、常温では溶けている)
- 真空中や高温でも蒸発、揮発しにくく燃えにくい(異常に温度が上がる事態になっても問題が起きにくい)。
という利点があったり。
また宇宙空間で使う場合、「塩を水に溶かしている訳ではない、それ自体が液体」で真空中でも揮発蒸発しにくいイオン液体には、別の利点も出てきて、特に今までのリチウムイオン二次電池とかみたいに凄い頑丈な箱に入れてさらにパッキンでガッチリ密閉するとかの必要がそれほど無かったり。極端な話レトルトパウチみたいなパックに入れておけば、宇宙空間でも十分働いてくれるし、安全性も高くなってくれる。頑丈なパッキンが不要になれば、衛星の重さもそれだけ軽く出来るという利点も出てくる。
色々便利ではある一方、欠点というか解決しなければならない問題もあって
- イオン液体は、それこそ全部イオンなので、液体中のイオンの動き方が水とかの溶媒に溶けたものに比べて遅い、そのため電池の性能が上がりにくい(イオンが動きにくいので、電子が少しづつしか出てこれない)
- イオン液体の組成によっては、非可逆反応を起こして充電のできない一次電池になってしまう
とかまだまだ難しいところもあったり。
でも先に書いたとおり、今回打ち上げられた「ほどよし」には既に搭載されているし、前に紹介した
PROCYONには、より進化したタイプのものが搭載される予定だとか。
宇宙空間で電池というとまっさきに思い浮かぶのが太陽電池と燃料電池、どちらも最近は過程でも使われるようになっているけど、どっちが先に出来たのかというと実は燃料電池。
これには、特に宇宙開発の黎明期にはいろいろな逸話があるそうで例えばアポロ宇宙船は、筒型の機械船と円すい形の司令船をくっつけた、限界まで削った色鉛筆みたいな形になっているけど、どこにも太陽電池パネルがないのは、当時はまだ人間の乗った宇宙船に搭載して、十分な電力を供給できる太陽電池パネルが実用化されていなかったため。
太陽電池自体はアポロ以前に打ち上げられた衛星、例えばヴァンガード衛星に搭載されていて、これは6年にもわたって衛星に電力を供給している。
逆に太陽電池パネルを搭載しなかったロシア(当時はまだソビエト)のスプートニクは、充電のできない一次電池だけを搭載していたため、寿命は三週間。アメリカ初の火星探査機、ヴァイキングの寿命がわずか一週間だったのも太陽電池パネルが搭載できず、一次電池を搭載していたためだったり。
また、その後打ち上げられた世界初の宇宙ステーションとも言えるスカイラブには、当時やっと実用化された大型の太陽電池パネルが大急ぎで買い入れて搭載したのだとか。
さて燃料電池の方だけど、これも色々あって、水素と酸素を反応させるタイプのものは、古くは先に話に出てきたアポロ宇宙船にも搭載されていて、退役したスペースシャトルの電力源として利用されていたり(発電の結果生成された水は国際宇宙ステーションに供給されることも)、最近では電気自動車や家庭用の電源として注目されたり。
スペースシャトルやアポロ宇宙船で使われていた燃料電池は、アルカリ型と呼ばれるもので、その点をあまり考慮する必要がなかったらしいのですが、実際の発電効率は実はそれほど高くなかったことと、燃料電池本体にパラジウム(最近はあんまり見ないけど歯の治療とかでも使われる金属)を沢山使うんであんまり嬉しくない。そこでJAXAでは、固定電解質型燃料電池と言われるものを開発している。
ところが宇宙空間では燃料電池にも地上とはちょっと違った工夫が必要で、例えば生成される水。水なんて人間が飲むんだから問題無いじゃんと言われそうだけど、人間が行かないところで燃料電池を使うとなるとそうも行かない。
しかも無重量状態の中では発電した結果発生した水(水蒸気)が集まって水滴になっても、重力がないから下に落ちてくれない。結果的に燃料電池の中に溜まってしまって、発電のための膜にくっついてしまって、水素ガスや酸素ガスが触れるべき部分を減らしてしまったり、反応できなかったガスが溜まってしまったりして、発電効率が落ちてしまう。
燃料電池の中に水が貯まるのがともかく問題になってくるのだ。
そこで考え出されたのが、燃料電池から出てきた未反応ガスに溜まった水を遠心分離器で「脱水」しつつ発電するというもの。「脱水」されたガスは再び燃料電池に戻っていく。こうすることでガスを可能な限り使い切ることが出来て、発電効率も上がる。
話だけ聞くと洗濯機みたいで冗談みたいだけど、これのお陰で燃料電池から効率よく水を排出することが可能になったそうで、なんとも古い?技術もまだまだ使いドコロがあるし、新しい事ばっかり考えてると上手くいかない部分があるんだなぁと。
んでもって今回一番ぶったまげたのがこれ。
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H2-CO2燃料電池 |
二酸化炭素と水素で発電しておまけに炭化水素化合物作っちゃう。現時点では、温度条件になどによって様々であるものの、燃料として二酸化炭素と水素を燃料として、電気とエタノール、メタノール、メタンが得られる。
そな
れに
いや本当に。
二酸化炭素+水素で発電ってなんですか、的な。冗談みたいな本当の話。
マジで凄い。というかあんまりにも凄すぎて頭空っぽになるレベル。
これは例えば宇宙ステーションで排出された二酸化炭素が、発電用の燃料として再利用できる事になる(水素は必要だけどこれは、水を電気分解することで得られる、電気は太陽電池パネルでいくらでも)。
でももっと凄いのが地上での活用。今までは排出されるだけだった二酸化炭素が、これからは工業用原料として利用できる、発電も出来る。水素は、例えば海上に太陽電池パネル並べて海水から真水を生成しつつ電気分解すればいくらでも。
インパクトがありすぎる。
例えば、大規模発電に適した燃料電池システム(溶融炭酸塩形燃料電池)の場合、二酸化炭素の排出濃度は排気中の80%に達する。これを新しく開発された二酸化炭素-水素型の燃料電池の燃料として導入すれば、電力が得られる上に二酸化炭素の代わりにエタノールやらメタノールやらメタンやらの化学工業原料が得られることになる。
そうでなくても、大気中に放出された(すでにある、かつ無料の)二酸化炭素を何らかの方法で回収するだけで、工業原料になってしまうのだ。
大変すぎる。
こうした反応は、もともと研究者の間では「理論的には可能である」と指摘されていて、ただ現実問題としてそうした反応を起こすことは(現時点の技術では)困難なんじゃね?と言われていたもの。それを、実験室レベルとはいえ現実的な反応として実現してしまったのもトンデモな事。
何よりも、今までの燃料電池は「二酸化炭素を排出しない」という点が最も大きな利点として取り上げられていたけど、この反応は
「二酸化炭素を排出しないだけでなく、既に排出された二酸化炭素も回収して(それまでと比べると大幅な低コストで)化学工業原材料として利用可能な資源にできる」というのがすごい。
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捨てていたものから工業原材料が作れる、電気も作れる |
現時点での問題は、特に需要が高く、早い段階からの採算が見込めるメタノールだけを特に選択的に生成する方法の確立だとか。
もうすごい。としか言い様がない。
話してくれた方も最初に聞いた時に愕然として「これは大変なことですから電話口で話さないでくれ、明日聞きに行って守秘義務契約結ばないと聞きたくない」と言ったほど。
今はもう学会誌とかで発表されているようだけど、そのインパクトはもう何とも……
凄い時代になったもんです。
今回の電池のブースで印象に残ったのは他にも幾つもあるのですが、頭に残ってるのがこれくらいで……本当に大変な発表じゃね?って思う割に地味な展示でいいのかこれ的な。
●んでもって
だいたい会場内一巡りしたんですが、後で後輩や友人から聞いたり(今回も様々な展示を見るので手一杯で、小講座とかまったく手が回らなかった)した話とかネタとかをちょこちょこ。
イプシロンやH2Bの打ち上げの際、近隣に住む人には一時的な避難をお願いするというのは今回初めて知ったのだけど、そこでの苦労が意外な感じで面白かったり。
で、大体二百世帯ある避難対象地域に住んでいる方は協力的で、スムーズに事が進むのだけど、そうは行かないのが農家が飼っている牛の皆様。肉牛を出荷する畜産農家の方が多い影響で、だいたい妊娠した娘さん(牛)がみっしり。
人間の移動は簡単だけど、牛の移動は産婦人科をまるごと移動させるようなもので、紆余曲折がてんこ盛り。延期しようものなら、二回目の打ち上げとなると、妊婦さん(牛)が不自然なまでに非協力的で、実に大変な事になるのだとか。
知らなかった、そんなの……
●JAXAランチ
スペースランチ!!
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スペース!!スペース!! |
見本だけど。
後輩が食べてたのは美味しそうだった。自分はというと、その前に宇宙きなこ(宇宙生物学のところ参照)の揚げパン食ってしまった影響で腹一杯で食べられなくて無念……
●ロケットの色
μⅤやH2ロケットの赤い部分、これは実はわざわざこう塗り分けてるんじゃなくて、中の液体酸素や水素を外気の熱から守るための「断熱材の色」。発泡しているんで、表面は滑らかでなくて実はふつふつとした感じで凸凹していたり。で、この断熱材、塗られた直後はベージュに近い黄色なんだけど、光に当たるとだんだん赤くなる性質があるのだとか。なもんで、打ち上げが延期されたロケットほど赤くなっていくのだそうです(確かに、JAXA相模原に展示されているμⅤロケット9号機の赤い部分は真っ赤っ赤になっている)。
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記事とは関係ないけど、展示してあるμⅤは未使用の実物なので配線類がそのまんまになっている |
●国際協力宇宙望遠鏡
「みんなで打ち上げるとみんなで使うので取り分が少ない……自前、いいよね……」
●んでもって
今回の特別展示のいろいろは、これでひとまず終わりなのですが、ほんとうに色々面白くて全部紹介するのはとても無理で……自分も様々なミニ講演についてはすっかりスッポ抜けた(聞きたくても、時間がなさすぎて聞けない……)状態で、見て回れなかった事に残念感溢れるところもあったり。
ほんとうに興味深かったことの一つに、ある展示ブースで聞いた話が、別のブースでの話に繋がっていたり、あるいは補完されていくところだったんじゃないかと。同じブースでもお話を聞いた方によって専門が違って、同じ衛星でも、観測装置や通信システム、電源などついてのお話を聞けたりとか。
観測機のターゲットとする「波長」によって、屈折させたり反射させたりの工夫とか、通信もどれだけ短く正確にできるかとか。
一つの研究開発が、ひとつの研究室で終わらない学際的というか、そんな感じの横断的な何かを感じた次第。
いやもう本当に楽しかったー
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デザインが変わって去年より若干疲労度が増していた宇宙飛行士の人 |
来年も行けたらいいな。
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この一杯が魂を潤す |
んでもって、
最初にも書きましたが、今回の特別公開徘徊の記録を同人誌っぽいものにまとめてました。
これが今回の夏コミの新刊だったのですが、この後、サンクリとかコミティアに持っていく予定です。
本故にあとからの誤字脱字の修正ができないとか、ページ数の関係で写真が若干足りないとかありますが、気が向いたら委託先サークルの方を覗いてやってくだされー。
ちなみに
こんな本です。